事故による脊髄損傷で車椅子生活になり、将来への不安から自暴自棄になってしまったヒロイン・彩夏(秋元才加)が、周囲の人に支えられながら立ち直り、新たな一歩を踏み出すまでを描く。劇中で自身も進行性の脊髄腫瘍と闘いながらヒロインを勇気づけるロック歌手・五十嵐を演じたのが、三代目J Soul Brothersのパフォーマー・NAOTO(31)。いまや爆発的な人気を誇る「三代目―」のリーダーも、メインの役どころでの映画出演は初。今作に懸けた思いを聞いた。
「三代目―」や兄貴分のEXILEは、コンサートで完璧なパフォーマンスをするために膨大な時間をリハーサルに費やすが、その姿勢は演技にも生かされている。「(五十嵐が)劇中でどんどん弱っていく様子を見た目で表現したいと思ったので、撮影の1週間ほど前から断食をして体重を6、7キロ落としました。2週間の撮影中もあまり食べないようにしました」と役作りにも全力を注いだ。
車椅子での移動シーンも多いが、これまで使用した経験はほとんどなし。だが、「車椅子を使っている方にとって自分の一部。自分の体と一体となるような感覚を目指した」と、撮影の1か月前から家の中でも実際に乗って生活し、違和感なく操れるまでになった。
普段は華麗な踊りでファンを魅了するNAOTOだが、今回はマイクを握ってステージにも立った。歌唱シーンのオファーがあった際は「俺が歌うの?」と驚いたというが、ステージでは歌声よりも歌に込める思いを重視した。「ロックなので、“思い”が大事かな、と。五十嵐のろうそくが消える寸前に燃え上がるような感じを表現したかった。正直、あまり歌の練習はしていないけど、魂の叫びが皆さんの心に響いてくれれば」と笑った。
自身の演じる姿や、作品全体から感じ取ってもらいたいのは“いまいる場所から一歩を踏み出す勇気”だという。「いま、一歩を踏み出す勇気を持っていない人に見ていただいて、勇気を受け取ってもらえたらうれしい」
俳優業への憧れは以前から強く持っていた。今回の演技については「反省点ばかり。『もっとこうできたのに』って」と悔しそうな表情を浮かべたが、壁が高ければ高いほど燃え上がるのが“EXILE魂”。「これからもずっとチャンレンジして、自分とはかけ離れた刑事とか医者などの役もやってみたい」と目を輝かせた。93分。(小島 和之)
NAOTO(なおと)本名・片岡直人(かたおか・なおと)1983年8月30日、埼玉県生まれ。31歳。2004年、米ロサンゼルスにダンス留学。帰国後、浜崎あゆみのバックダンサーを務める。07年「J Soul Brothers」に加入し、現在は「三代目J Soul Brothers」のリーダーのほか、EXILEのメンバーとしても活動。身長170センチ。血液型B。
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